テキストサイトの流行 2000年代初頭のネットでテキストサイトがブームになった。 絵を描けず、曲も作れず、詳しく語れる分野も無いが、それでも目立ちたいというワガママな人たちが、 誰もが使える文字だけを武器にして、続々とテキストサイトを開設した。 何のとりえも無い人には当然文才も無いのだが、無教養な人は井の中の蛙だから、 自分の個性や才能を信じて表に出てきてしまうのだ。 テキストサイトは、自分のことを変わり者だと思っている普通の人たちが、平凡な下ネタや自虐ネタ、 マイノリティ自慢を書き綴るだけの低級なジャンルだった。しかしながら、凡人のセンスゆえの大衆性と、 大容量のデータを扱いづらかった時代背景のおかげで、テキストサイトは大勢の目に触れることになった。 侍魂、ろじぱら、斬鉄剣、じーらぼ、僕の見た秩序――― つまらない人たちのつまらないサイトが、面白いサイトとして持て囃されるようになった。