1990年にイタリアで開かれたW杯をライブで観戦した人の多くは、アルゼンチン代表で一際輝いていたクラウディオ・カニーヒアに魅せられたことだろう。 端正な顔立ち、乱れたままのブロンドのロングヘアーを輪ゴムでとめるという無造作な風貌は、サッカー選手というよりもロックスターのような艶かしさを放っていた。 だが、そんな外見の魅力以上にサッカーファンの心を奪ったのは、卓越した運動能力を駆使した痛快なドリブル突破だった。 '80年代に一世を風靡したスプリンター、アメリカのカール・ルイスのニックネームにちなみ「El Hijo del Viento(風の子)」と名付けられ、対戦したディフェンダーたちに「カニーヒアを止めるにはファウルを仕掛けるしかない」と言わせたほどの俊足(実際に何度もファウルで止められた)を誇った。 飲むのはシャンパンだけのセレブ妻。 スピードを活かしたチャンスメイクだけでなく、もちろん
![アルゼンチン中が溺愛、カニーヒア。ブロンド長髪と素朴さは当時のまま。(藤坂ガルシア千鶴)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/99d993ecacd1d9f3b6f1d4b0941217e8611f622d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fb%2F5%2F-%2Fimg_b55896cbb3ff7656cbbcdbbc1fc60108142577.jpg)