新型コロナウイルス感染症対策分科会のトップである尾身茂会長の東京五輪開催をめぐる発言が連日ニュースになっている。9日も国会での発言がニュース番組で伝えられた。詳しく検証してみると彼はほとんどブレなく一貫して同じ発言を繰り返していることがわかる。 先週の日曜日(6月6日)、1週間を振り返る各テレビ番組でも「尾身発言」がトピックになった。東京五輪の開催にあたってたびたび警鐘を鳴らしているとして発言を伝え、それに不快感を示す政治家との「溝」を強調する報道が目立った。なかには「尾身の乱」などと菅政権との対決構図で取り上げた番組もあった。 メディアやジャーナリズムを専門にする研究者の間でも「科学者の言葉をメディアはどう伝えるべきか」というのは重要なテーマだ。 先日、「日本マス・コミュニケーション学会」(今回の大会で「日本メディア学会」に名称を変更)でも「科学と政治」をテーマにしたワークショップが開か