小林製薬が製造販売した「紅麹(こうじ)」成分入りのサプリメントを摂取した人に健康被害が相次いでいる問題は、機能性表示食品に対する信頼を揺るがした。消費者庁は約6800の機能性表示食品すべての緊急点検を指示している。また、成分を濃縮させて作るサプリは過剰摂取の危険性も大きく、専門家は「取り締まる法整備が必要」と指摘している。 「用意するエビデンス(科学的根拠)が多く、申請に手間暇がかかるトクホ(特定保健用食品)に比べて(機能性表示食品は)容易に登録できる」 機能性表示食品の商品を手がける飲料大手の関係者はこう明かす。 平成27年に始まった機能性表示食品の制度は、健康に関する有効性や機能性について、消費者庁に届け出さえすれば、国の審査の必要なく表示できる。安全性や機能性の根拠を担保するのは企業だが、国のお墨付きが与えられている印象もあり、昨今の健康志向の高まりなどを受けて市場は急速に拡大してき