日本の一万円紙幣を燃料にした「万札発電所」が15日、米国カリフォルニア州に完成した。発電能力は50万キロワットで、今冬にも稼働する予定。燃料に紙幣を使う火力発電所は世界で初めてだという。 一万円札を燃料にした火力発電所「Yenpower station(エンパワーステーション)」は、カリフォルニア州郊外にあったゴミ発電所を、電力企業ラビッシュカレンシーが昨年買収して改築した。 建設の背景にあるのは、ウクライナ情勢の悪化による原油価格の高騰と円安だ。共に安定した水準に落ち着く気配がなく、現在のペースで原油高と円安が進行すれば、今冬には原油価格が円の価値を大幅に上回る。このため「高価な石油を燃やすより日本円を燃やしたほうが発電コストが安い」(同社)という。 万札発電は燃料供給の面でも利点がある。石油輸出国機構(OPEC)プラスによる生産調整など、国際情勢に左右される原油価格に対し、日本円は日本