キリンホールディングス(HD)は、現本社ビル(東京都中央区新川)と、傘下のキリンビール本社ビル(渋谷区神宮前)を売却する方針を固めた。 周辺の不動産の売買状況から、売却価格はHD本社ビルが50億~100億円程度、キリンビール本社ビルは100億~200億円程度を見込んでいる。売却総額は150億~300億円程度に上る見通しで、相次ぐ海外企業の買収で増加した有利子負債の圧縮に充てる考えだ。 キリンHDは、東京都中野区の賃貸ビルに本社機能を移し、年内にグループの主要部分も移転する。 同社は、少子高齢化で主力の酒類事業が今後縮小することが見込まれるため、海外市場に活路を見いだしている。 これまで豪ライオンネイサン(2009年、2300億円)、ブラジル・スキンカリオール(11年、3038億円)など海外企業の買収を進めてきた。これに伴い、有利子負債は06年の3027億円から11年には1兆1447億円に膨