めちゃめちゃ面白い漫画。 ものわかりの良すぎる若い人間が嫌いです。 ものわかりの悪い年寄りが嫌いです。 クソ意地持った男が好きです。 気持ちに素直な女が好きです。 第1巻の著者コメントに、こんな言葉が書いてあるんだけど、この『宮本から君へ』は、クソ意地はる宮本浩という主人公が七転八倒しながら戦ってく話。 全12巻に渡る長編作品であり、物語も一応分岐していくのだけど、物語がブレないのは今に至るまでの新井英樹作品の特徴だと思う。それは人物を描く、ということがそもそものテーマだからなのだろう。宮本という主人公に焦点が絞られているからこそ、物語は一貫している。 ただ、例えば「キーチ!」がキーチを俯瞰して描き「ザ・ワールド・イズ・マイン」ではトシを傍観者としてモンちゃんを描いていたのに比べ、この「宮本から君へ」は、極めて主人公に近い目線で描かれている。しかし近い目線ではあれど、作者の視点は主人公と重