東日本大震災による東京電力の福島第1原発の事故を受けて、中部電力は19日、15年に着工を予定していた浜岡原発(静岡県御前崎市)の6号機新設計画を先送りする方針を固めた。中部電首脳は「今回の震災を受け、新たな知見を反映する必要がある」とするが、地元は「既存の原子炉の安全対策が最優先」としており、6号機新設計画は凍結状態に追い込まれる可能性もある。中国電力も原発の新規工事の一時中断を決めており、国がエネルギー政策の大黒柱としてきた原発増強策は抜本的な見直しを迫られている。【山本明彦、立山清也、工藤昭久】 中部電は08年、浜岡原発6号機の新設計画を発表。15年着工、18~23年の運転開始を目指していた。年度内にも原子炉設置許可申請の前提となる「環境影響評価」の方法書を国や地元自治体に提出する予定だった。しかし、東電の福島原発事故後、地元の静岡県の川勝平太知事や御前崎市の石原茂雄市長は、計画見直し