勤務している病院で、私がお母さんたちにお話をする講座が週に3回あります。小児科医の仕事は本来、子どもが病気になった際の治療ですが、少子化に伴ってなのか育児支援が大事になってきています。実際、驚くようなことを聞かれます。オムツはいつどうなったら次のサイズにしたらいいか、新生児の沐浴指導を受けたけれど子どもと一緒にお風呂に入る方法の指導はないのか、髪が伸びてきたんだけれど切ってもいいかなどなど。子どもを産むまでに一度も赤ちゃんを抱っこしたことがないという人も多いからでしょうね。だから母乳やミルクだけでなく離乳食が始まると、とまどう人も多いのです。 離乳食は消化不良を起こさずに、液体からだけでなく固形物からも栄養を摂れるようになるのが目的です。以前、日本小児科学会や日本周産期・新生児学会で、ゴリラやチンパンジーの専門家を招いてそれぞれの育児を聞く機会がありました。ヒト以外は調理らしい調理をしない