special issue for the summer vacation 2008 2008夏休み特別企画! web sniper's book review 時代を切り拓くサブ・カルチャー批評 『ゼロ年代の想像力(早川書房)』 著者=宇野 常寛 【後編】 文=さやわか 『DEATH NOTE』、宮藤官九郎、よしながふみ……格差・郊外・ナショナリズム、激震するゼロ年代に生まれた物語たちの想像力は何を描いてきたのか。時代を更新するサブ・カルチャー批評の決定版。 << 前回の記事を読む 宇野がポスト決断主義として考えた作品への読解に、現実との齟齬が感じられた点は他にもある。木皿泉によるドラマ版『野ブタ。をプロデュース』(二〇〇五、日本テレビ)についても同様で、こちらは作品側のレベルで宇野の期待するポスト決断主義の構想に追いついていないように見受けられる。宇野はこの作品について、主人公