冤罪(えんざい)を訴え、闘ってきた元受刑者らの交流を描いたドキュメンタリー映画「獄友(ごくとも)」(115分)が完成した。獄中生活、合わせて155年――。奪われた時間を取り戻すかのように生きる5人の男性の姿を、映画監督の金聖雄さん(54)がカメラに収めた。 映画に登場するのは1967年の「布川事件」で無期懲役が確定し、29年の獄中生活を経て2011年に再審で無罪となった桜井昌司さん(71)、90年の「足利事件」で無期懲役が確定し、10年に無罪となった菅家利和さん(71)、63年の「狭山事件」で無期懲役となり、仮釈放後の今も再審請求を続ける石川一雄さん(79)ら。いずれも髪やひげが白くなり、笑うと目尻にしわが目立つ年齢だ。 釈放後、支援者の集会などを機に互いの家を訪ねるようになった獄友たち。一緒にカラオケを熱唱し、結婚生活の良さを語り、ときに長かった獄中暮らしを懐かしむ。 約7年前から撮影の