先日研究会で発表したときに受けた批判の一つにここで答えておきたい。それがずっとひっかかっていて気分が悪かったので、ここで吐き出しておこう。私は、正規雇用と非正規雇用の時給の差が、日本、韓国、台湾でどのように異なるのか分析したのだが、それに対して、「非正規雇用という概念の来歴や特徴を国ごとにまず正しく理解するべきで、それをせずにいきなり国際比較しても意味がない」といった趣旨の批判がなされたようである。「ようである」というのは、何を言っているのか、批判の論旨が不明瞭だったので、そのときは何を言われているのかよくわからなかったのだが、ほかの人の発表のときの議論などを踏まえて遡及的に考えると、そのような趣旨の批判だったように思う。 この批判は基礎付け主義の一種であるので、私には受け入れられない。基礎付け主義とは、元来、「科学的知識は、正しい哲学によって基礎付けられなければならない」とする哲学的立場
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