日米関係にすきま風が吹いている。 安全保障面はもちろん、経済面でも強く結びついてきた両国関係は、今後どうあるべきか。日米関係に詳しい識者、財界人に聞いた。 5回目は、ニューヨーク大学のエドワード・リンカーン教授。日米関係を安全保障ではなくビジネスの視点で語れる知日派の重鎮に、その日本観を聞いた。 (聞き手は、ニューヨーク支局=水野 博泰) ── 日米関係の状態をどう見ていますか。 リンカーン まず、プラス面、少なくともマイナスではないところから。 私は日本財団の米国側顧問を務めていて、米国の大学から日本財団に提出される補助金申請の審査をする立場にあるのですが、申請数の多さに驚いています、去年は60以上の申請がありました。どの申請にも学部学生を対象とした日本語クラスを増やす計画が盛り込まれていて、教員を増やすための予算を求めているのです。 つまり、日本について学びたいという興味は依然としてあ