ユーザー体験を軸にニュースを探していた私にとって,CES期間中で一番の衝撃は皮肉なことに同時期に開催されたMac World ExpoでのiPhoneの発表だった.iPod以来Appleはデバイスからユーザーに分かりにくい機能は全て省き,連携するパソコン側に持たせる戦略を取ってきた. これはデバイスに詰め込める機能は全て詰め込むという日本の家電メーカーや世界のITベンダの姿勢と対照的である.利用者から分かりにくい機能とは,単に煩雑な操作だけでなく,意識しなければ困ったことの起る状態や一貫性の欠如を含む. 中島氏は「アップルはいったい全体、なんでiPhoneを使って直接iTune Music Storeから購入できるようにしなかったのだろうか?」と謎かけしているが,この割り切りはAppleの戦略を端的に示している. まず操作の煩雑さ.小さな画面と指を使った操作は既存コンテンツを快適にブラウズ