最近目にする分量は減ったけれども、一時期非常によくみかけた主張 原発反対派のおかげで原発の新規建設が困難であった。それがなければ福島第一原発をこんなにも延命させる必要がなかった。したがって、今回の原発の事故の責任は原発反対派のそれも大きい。 というものである。 まぁ、これはじつにけったいな議論である。では、ここにまつわる論点を整理してみる。 第一に、私も、「原発反対派の反対運動が新規建設を困難にした」という「因果関係」については、ある程度存在すると認めている。これを科学的に立証するのはいろいろ文献を引いてこなければいけないが、さすがにこれを否定するのはナンセンスだろう。 しかし、一般論として「因果関係が生じている場合、原因となったものに結果責任が必ずある」という命題は明確にNOであることも議論の余地はない。 さて、今回それが当てはまるか、という風に考えてみる。原発反対派と一口にくくっても、