4月末に口蹄疫が発覚して以降、現在もなお被害が広がる宮崎。今月3日、取材班はその実態を探るべく、県内のとある養豚場を訪れた。 取材に応じたのは、川南町で3頭の豚を育てている日向灘養豚場(仮名)。名こそ養豚場だが、育てる豚は最も多くて6頭。県内でも最小規模だ。だが、ここで育てている豚にはえさに県特産のマンゴーを与えており、肉の味に独特の風味が出ることから、高級豚として一般の豚の10〜20倍の価格で取引されている。 「おいしい豚を育てる秘訣(ひけつ)は、豚を豚として扱わないことですね。」と、養豚場を経営する東村健一さん(仮名)は話す。日向灘養豚場には特定の畜舎がなく、猫を家で飼うように豚を育てている。東村さんにとって3頭の豚はいわば家族のような存在だ。実際、この3頭にはそれぞれ「ブタ夫」「ブタない夫」「ブタ美」と名前がついている。 県内に広がる口蹄疫について、東村さんは「それはもう心配で