今回、『シロクマの屑籠セレクション』として寄稿したこの文章は2016年に書かれたものだが、内容が古くなっているとは思えない。むしろ今後ますますクローズアップされ、論議されていく可能性の大きなものだと思う。 高齢者を巡っては、さまざまな問題とその解決策が議論されている。 たとえば高齢者において著しい貧富の格差もそうだ。高齢者ひとりひとりの問題として考えた場合、経済事情の厳しい高齢者の問題は小さくない。 が、大局的にみた場合、今日の高齢者はやはり豊かではないだろうか。そういうことを随筆したのが以下の文章だ。 みんな「長生き」=「豊かさ」を忘れてしまっている 現在の日本の高齢者は豊かである。もちろんひとりひとりの高齢者を見れば、老々介護を余儀なくされている家庭や無資格施設に”収容”されている高齢者の経済事情は厳しい。 それでも全体としてみれば日本の高齢者は恵まれていると言って構わない、と思う。