大英帝国を打ち立てた19世紀、ポンドは基軸通貨でした。 日露戦争の戦費調達のため、高橋是清が幾度となくロンドンを訪れて国債発行に奔走したことは良く知られています。 イギリスの最大支配権地域は、ざっと下図の通りです。 しかしながら、20世紀前半の二度の世界大戦でイギリスは弱体化。 ドイツとの戦争で疲弊した英国民は、終戦と同時に戦争の英雄チャーチルを政権から追い出し、「ゆりかごから墓場まで」を合い言葉に、福祉政策の充実に舵を切りました。 労働者の権利は保護され、基幹産業は国有化。 働く意欲は失われて産業は非効率となり、60~70年代の英国は、労使紛争の多発と経済不振のため、「ヨーロッパの病人(Sick man of Europe)」と呼ばれました。 ロールスロイスもジャガーもこの時期に国有化され、今では国外メーカーのブランド名として名前が残っているだけです。 何しろ病気の通貨ですから、1970