福岡から大分にかけての九州北部で起きた大水害について、連日報道されている。 それらの報道に接していると、報道関係者の多くは水害の発生を森林問題と関連づけようとしていると感じる。 報道に登場する治水研究者らに「水害発生の原因は多すぎた雨量と花崗岩質の崩れやすい地質にある」と語らせておきながら、流木が被害を高めたとか、スギやヒノキの人工林は根が浅くて崩れやすい、森林整備の遅れが土砂崩れを引き起こした……という話題に触れるのだ。本当のところはどうか、それらの点を検証してみたい。 今回の水害と森林の関係は、詳しくは今後の調査を待たないといけないが、まず押さえておきたいのは、極端な大雨が降った場合、いかなる森林であっても崩れる、それが屋久島や白神山脈の原生林であろうと、崩れるときは崩れるという点だ。災害があると、すぐ人工林と結びつけたがるのは浅慮だろう。 ただ大量の流木が集落を襲って被害を拡大したの