「復興」2014緑の防潮堤 議論噴出 大津波にも強い堤防をつくるとして、国土交通省が整備に乗り出した「緑の防潮堤」で、試行錯誤が続いている。最初に手がけた岩沼市で、植えた常緑広葉樹の半数程度が枯れてしまったからだ。従来海岸に植えられてきたマツ林か、鎮守の森のような広葉樹林か。同省は樹種の見直しを検討している。さきがけの岩沼、半数ほど枯れる 東日本大震災で大きな被害を受けた岩沼市下野郷。海と陸側を隔てる高さ7・2メートルのコンクリート防潮堤のうち、約100メートルの区間で、斜面が土に覆われていた。目をこらすと、数十センチの細い枝がほぼ等間隔で立っている。緑の葉をつけたものは少なく、半数程度は地上部が枯れている。 昨年6月、市民が参加し約7千本の苗木を植えた。タブノキやシラカシ、スダジイなど高木になる常緑広葉樹やマサキなど低木の広葉樹類。震災前、この海岸に植えられていたクロマツではない。宮脇昭