県内で昨年増えたクマの出没は、マイマイガの大量発生が一因だったとする調査結果を、県農林水産総合技術センター森林研究所(立山町)の中島春樹主任研究員がまとめた。マイマイガの幼虫がミズナラやコナラの葉を食べたことで実が育たなくなり、餌を失ったクマが人里に出没したとみられる。中島研究員が2日、富山市の県総合情報センターで開かれた試験研究成果発表会で報告した。(豊田直也) 県自然保護課によると、昨年の県内でのツキノワグマの目撃や痕跡発見は三百八十六件で、前年から二百二十七件増加。ここ五年では千三百八十七件で突出していた二〇一〇年に次ぐ多さだった。中島研究員によると、マイマイガも富山、石川、長野、岐阜各県で大量発生した。 中島研究員によると、マイマイガの幼虫は、ブナやナラ類の実が育つ五~六月に広葉樹や針葉樹の葉を食べるため、着果への影響が大きい。調査は富山県内の三十六地点で行い、昨年七月のブナ、ミズ