小田急電鉄(東京都新宿区)と東京メトロ(台東区)は3月15日から地下鉄千代田線直通の新型ロマンスカー60000形「MSE(マルチ・スーパー・エクスプレス)」(10両編成)の営業運転を開始する。座席指定の特急が地下鉄を走るのは国内初。平日は東京・大手町のオフィス街や霞ケ関の官庁街と神奈川県の本厚木方面を結ぶ通勤列車、土日休日は北千住(足立区)と箱根を結ぶ観光列車になる。さらに連絡線を経由することで東京メトロ有楽町線にも乗り入れる臨時特急として走らせる予定だ。 “痛勤”尻目に優越感 営業運転に先立ち2月29日、報道関係者を対象に試乗会が行われた。記者らを乗せたMSEは小田急の成城学園前駅を出発し、代々木上原駅で小田急から東京メトロに運転士と車掌が交代。地下鉄トンネルに突入した瞬間、役得とばかりに運転席後ろに陣取った鉄道好きの報道陣から歓声が起こった。 赤いカーペットを敷き詰めた車内には、グレー