個人住宅であれ自社ビルであれ、新築するために辿るプロセスはみな同じ。将来のヴィジョンを持ち、資金計画を立て、土地を取得し、建物の設計を依頼し、工事を行い、運用を開始する。この一連の流れの中で、建て主は自分一人で考えたり、様々な専門家に個別に相談したりする。しかし本書ではこのフローの最初から最後までを、不動産コンサルと建築家がコンビを組んで建て主をフォローするというサービスの方法が紹介されている。 不動産、そして建築家という職業の概念は、文明開化で西欧から輸入され日本に根付いたもの。おそらく当初は一体だったであろう「お金の計画・土地探し・デザイン・施工・運営」は専門分化していき、今ではそれぞれ別々の専門家が請負う。(法や制度もそれを促している。)しかし分断されたプロセスでは建て主の望むライフスタイルの可能性を最大限引き出す提案は難しいし、それは結果的に建て主が新築プロジェクトの恩恵を100%