はじめに 振り返れば、19世紀がモノ(物質)、20世紀がマネー(金融)のエコノミーだった。では、21世紀は? 既に動き出しているのが、ビット(情報)のエコノミーだ。米グーグルや米アマゾン・ドット・コムの躍進が示すように、情報を武器にすることで新たな経済圏を創り出せる。 その“先兵役”となるのがケータイだ。情報端末として十分な機能を備え、今後の成長が見込まれる新興国の所得水準でも購入できる。この可能性を狙って、欧米はもちろん、中国の思惑もうごめく。 大きな世界の潮流が明らかになる中で、ケータイ「ガラパゴス」日本が取るべき進路とは? 端末の新機能や料金設定といった国内の動きからはうかがいしれない、「ケータイ産業」のうねりを伝えていく。これからの成長産業における日本の立ち位置を明確にしていく過程で、新たなビジネスモデルの有り様について考察していく。 インターネットの興隆以降、「IT(情報技術)=