尾崎紅葉の『金色夜叉』――作者名と作品名、「貫一・お宮」の名前などは知っているという人が多いだろう。 また、熱海の海岸で貫一が宮を蹴り倒す場面、「来年の今月今夜になったならば、僕の涙で必ず月は曇らして見せるから」という名ゼリフも、テレビやマンガなどのパロディで知っているという人も多いかもしれない。 だが、作品を全編通して読んだことのある人は、かなり少ないと思う。 かく言う自分も、恥ずかしながら、部分的に読んだことがある程度。なぜなら、原文の流麗な美しいリズムを持つ雅文体が、とにかく難しいからだ。 だが、そんな原文の抜粋と現代語訳、さらに時代背景などをコラムで掘り下げた、「やさしく深い『金色夜叉』テキスト」ともいえる本が登場している。 『ビギナーズ・クラシックス 近代文学編 尾崎紅葉の「金色夜叉」』(山田有策著/角川ソフィア文庫)だ。 同シリーズではこれまで鴎外『舞姫』、一葉『たけくらべ』、
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