沿道からペットボトルが投げ込まれ、“欽ちゃん”の笑顔が消えた。 長野市の市街地で26日に行われた北京五輪聖火リレー。3000人余の警察官が厳戒態勢で臨む中、懸念された妨害行為や小競り合いも頻発。歓声を怒号がかき消す異様な空気が、萩本欽一さんや卓球の福原愛さんらが走り継ぐ華やかなイベントをのみ込んだ。 右手にトーチを持ち、沿道の観衆に向かってにこやかに手を振る第10走者の萩本さんの周囲に緊張が走ったのは、JR長野駅前。リレー開始から約20分後だった。 ペットボトルやビラなどが投げ込まれた瞬間、伴走する警察官が透明な盾で萩本さんをガード、萩本さんの表情はこわばり、隊列はしばらく止まった。中継地点では、ハイタッチを交わして女子レスリングの吉田沙保里選手に聖火をつないだものの、リレー後の記者会見で萩本さんは、「(自分も)笑顔ではなくなり、そういう自分はいけないと思った。僕にとって悔しい」と話した。