バナナは熱帯アジア原産で、主食作物としてアフリカに広がり、やがてスペイン人の手でカリブ海に到達した。その後はサトウキビプランテーションの奴隷労働者として連れてこられたアフリカ人と一緒に中南米に広がっていった。19世紀になってアメリカ人資本家がサトウキビ畑に植えられていたバナナをサトウキビのようにプランテーションで栽培し始めた。アメリカの大資本ユナイテッドフルーツは未成熟で収穫したバナナを鉄道や輸送船団でアメリカ本土に運んで販売するメソッドを確立し、それまで主要な輸出作物を持っていなかった中米に「バナナ帝国」を築きあげた。 そういうわけで、バナナと大資本は切っても切れない関係にある。そして、バナナが当たり前の果物になった20世紀初頭、バナナ企業はバナナの販売促進をする必要を感じて、健康食品としてアピールする戦略を考えだした。19世紀後半の病原菌の発見以来、「衛生/清潔」が注目されるようになり