本書は、事実婚と夫婦別姓をめぐる諸問題を、社会学の視点から検討したものである。 大学院時代の私は、「家族の多様化」をめぐる研究関心から、日本における事実婚カップルの実態を明らかにしようと、いわば「見切り発車」状態で当事者へのインタビュー調査を開始した。 しかし、話を聞くなかで、まず私が抱いていた「事実婚vs.法律婚」という素朴な前提が覆されていった。調査を通じて、当事者の多くが、「夫婦別姓」のために(より正確に言うならば、婚姻時に双方が姓を変えないために)、事実婚という選択を強いられているという現実に直面する。多くの当事者が法律婚を望んでいたり、「結婚」そのものに肯定的な態度を有していることに気づかされたのである。 当初私は、「意外に保守的?」という印象も抱いた。だがしだいに、そもそも自分自身が「保守的」だと感じたこの感覚それ自体が正しいのだろうかと考えるようになった。自分はどのような部分
また札幌で同性婚についての裁判がどうのとか、サイボウズの社長がやってる選択的夫婦別姓がどうのとか、なんか色々やってるけど、めんどくさいな解散解散〜〜って感じで眺めている。 同性婚の話題って婚姻制度を拡張する話だと思ってるんですけど、そして選択的夫婦別姓の話題もまた婚姻制度を拡張する話だと思って眺めてるんですけど。 そもそも婚姻制度って、要る!?その大部分、要る!? 多様化を是とするなら、解釈まで最小単位にしちゃうのが一番手っ取り早いじゃんと思うんよね。最小単位ってなんだろう? この人と一緒に生きていきたいです。 その程度じゃんと思うんだよねー。その届出を受理してくれよー。だからそれでいいじゃん。相手が同性でも異性でも、そう思ったからそうします、一緒に生きていってお互い助け合いますので、それをしやすい特権下さい、それでいいじゃんか。 なんらかのパートナーであることを届け出られて、それが「あー
俺が不思議に思うのが、結婚した夫婦の96%のケースで女性側が姓を変えていることだ。結婚したら女が姓を変えなければならないなどとは何処にも名文化されてはいないのに、なぜこのような実態になっているのだろうか?実際俺は結婚する時、どちらの名字にするか妻と相談した。妻が姓を変えたくないというなら、俺が姓を変えることもやぶさかではなかった。しかし妻は、「いや、普通に夫の名字に変えるよ」と言った。自らの姓にこだわりがないのかもしれないが、俺にとっては若干拍子抜けであった。「結婚したら女性が苗字を変えるもの」と刷り込まれているのかもしれない。 昨今、選択的夫婦別姓が取り沙汰されることが多くなってきたが、これに強硬に反発しているのが自民党である。曰く、夫婦同姓は家族の絆の証、別姓などというものを認めれば家庭が崩壊するというのである。では、外国人との結婚で別姓を認めているのはなぜか?別姓が主流の外国では全て
茂木敏充外相は4日の衆院予算委員会で、パスポートに旧姓を併記する場合に、丸かっこで旧姓が囲まれている現在の表記を改め、旧姓だと分かる文言を書きくわえる方針を明らかにした。立憲民主党の大河原雅子氏の質問への答弁。 パスポートへの別名併記は、二重国籍や国際結婚のほか、海外での仕事で旧姓を使う場合などに例外的に認められている。外務省によると、かっこ書きによる別名併記は日本独自の仕組み。 ただ、旧姓の併記を説明する文言がないため、外国に入国する際に説明を求められたり、トラブルになったりするケースもある。背景には日本のパスポートが戸籍上の氏名を表記することになっていることや、世界では珍しい夫婦同姓が法律で義務づけられていることがある。 茂木氏は、丸かっこで囲まれただけの現在の表記を「見ただけでは旧姓だと分からない」とし、「maiden name(旧姓)などと書くことではっきりと分かるような形を取って
住民票、マイナンバーカード等へ旧姓(その人の過去の戸籍上の氏のこと。法的には「旧氏」(きゅううじ)といいます)を併記できるようにするための「住民基本台帳法施行令等の一部を改正する政令」(平成31年4月17日公布)が、令和元年11月5日に施行されました。 この政令改正は、社会において旧姓を使用しながら活動する女性が増加している中、様々な活動の場面で旧姓を使用しやすくなるよう、との累次の閣議決定等を踏まえて行われたものです。 姓が変わる場面現行制度では、姓は家族関係の変化に伴って、本人の意思に関係なく当然に変わる場合があります。具体的には次のような場面があります。 1.結婚により、夫または妻のどちらか一方が姓を改める(民法750条) このことを、「夫婦同氏の原則」といいます。 2.養子縁組により、養子は養親の姓に改める(民法810条) このことを、「養親子同氏の原則」といいます。 3.離婚・婚
【追記】タイトルを盛大に間違えてたのでさっそく訂正 誤:思ったよりも夫婦別姓に抵抗があった話 正:思ったよりも夫婦同姓に抵抗があった話 とんでもない間違いだぁ…こんなの零点だ零点 【また追記】 すっごいブコメが伸びてておののいています… すべてのコメントや言及エントリにお返事はできないけれど、少し追記したいです。 同じように結婚後の姓に馴染めない、みたいな既婚者先輩の声も多数聞けて、私だけじゃないんだー、と思えてよかった(小並感)。 n年経っても慣れない、みたいなのを読んで、逆に覚悟が決まったのかむしろ気が楽になりました。ありがとうございます。 あとこれは是非言いたいんだけど、ちらほら夫を責めるというか、夫が悪いみたいなコメントが見えましたが、それは違います。やめていただきたい。 世間体は、そりゃありますよ… 現状は女性側が姓を改めるのが「一般的」とされていて、よって私がエントリで書いたよ
選択的夫婦別姓制度に関する陳情について審査が行われた今治市議会教育厚生委員会=愛媛県今治市別宮町1で2019年6月24日午前9時58分、花澤葵撮影 夫婦が同姓か別姓かを選べる選択的夫婦別姓制度について、愛媛県の今治市議会は24日、国会で審議するよう国に意見書を出すことを求めた陳情を市議会教育厚生委員会で審査し、賛成少数で不採択とした。賛成は共産党の女性1人だけだった。28日の本会議最終日に審査内容が報告され、本会議で不採択とされる見通し。【花澤葵】 同委は共産党の女性以外は全員無所属の男性。審査はまず、今回は採択・不採択などの議会としての結論を出さずに先送りにする「継続審査」とするかが諮られた。委員長以外の委員7人のうち3人が賛成したが4人が反対し、賛成少数で否決。次に「採択」するかが諮られ、賛成が1人、反対が6人の賛成少数で不採択となった。
2015年に最高裁で夫婦同姓を合憲とする判決が下されてから約3年。新たに選択的夫婦別姓を求める裁判が昨年、複数提訴されたが、その最初となる判決は厳しいものだった。婚姻時に夫婦が別姓を選べない戸籍法は、平等を保障する憲法に反するとして、ソフトウェア企業「サイボウズ」の社長、青野慶久氏ら4人が国を相手に計220万円の損害賠償を求めていた訴訟で、東京地裁(中吉徹郎裁判長)は3月25日、原告の請求を棄却した。 「判決を聞いた時、ガラガラと崩れるような気持ちでした。ロジックもわかりやすかったし、論理的に考えれば違憲判決が出ると思いましたが、スルーされました」。判決後に東京・霞が関の司法記者クラブで開いた会見で、青野氏はそう語った。 原告側は、日本人のカップルが離婚した際に戸籍法の手続きをすれば「婚氏続称」ができることや、日本人と外国人が結婚した際も夫婦別姓が選べるのに対し、日本人のカップルが婚姻する
選択的夫婦別姓(氏)制度への賛成が42・5%と過去最高になり、反対が29・3%と過去最低となった今年2月公表(実施は昨年12月)の世論調査について、法務省がホームページに掲載せず、反対36・4%、賛成が35・5%という5年前の世論調査を掲載したままであることが10日までに分かりました。 日本は、国連の女性差別撤廃条約で明記されている「(結婚時の)姓を選択する権利」を実行していないとして、女性差別撤廃委員会から、選択的夫婦別姓制度のための法改正を勧告されています。法改正への進ちょく状況を報告するよう求められており、今年3月、日本政府は女性差別撤廃委員会に報告を提出しました。 その中で、選択的夫婦別氏制度の意義を周知する方法として、「引き続きQ&A方式でまとめたものをHP(ホームページ)に掲載する」と述べています。法務省のHPのことで、タイトルは「選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度
レファレンス 2011. 3 3 主 要 記 事 の 要 旨 夫婦及び子の氏と戸籍制度 鳥 澤 孝 之 ① 氏名は個人を特定する機能を有し、社会生活を円滑に営む上で重要なものであるが、氏 については民法上の夫婦同氏規定の見直しや子の氏の在り方が議論されることがある。氏 と戸籍の制度上の基本的な関係、夫婦及び子のそれぞれの氏の変動に関する問題等を紹介 し、これらと選択的夫婦別氏制度との関係について解説する。 ② 戸籍制度は人の親族的身分関係や日本国籍を登録・公証するもので、同一の戸籍に記載 される夫婦と子の三者間の氏は、同じものである。戸籍実務では氏を、戸籍の変動の基準 となる 「民法上の氏」 と、 氏の呼称それ自体の 「呼称上の氏」 に分けて運用がなされている。 ③ 日本人同士の男女が婚姻届をした場合には、夫と妻のいずれの氏を称するのかを選び、 その氏を称する夫又は妻を筆頭者として新たに戸
サイボウズ青野氏らによる夫婦別姓訴訟について、もともと夫婦別姓に賛成していたひとたちの間からも懸念の声が上がっている。青野氏は「後ろから刺されたような気持ち」とショックをあらわし、ときにかなり攻撃的な態度で批判者を罵るが、どうやら論点がかみ合っていない。 そこで、Yahoo!ニュース個人で、論点整理の記事を書いた。 ●サイボウズ青野氏らの夫婦別姓訴訟とそれに対する井戸まさえ氏の懸念。似て非なる「夫婦別姓」概念を巡って 続いてブログで、個人的に疑問に感じることを書いた。 ●サイボウズ青野氏らの提案する「夫婦別姓」は、本当に簡単に低コストで実現するのか? それをツイッターで告知したところ、青野氏本人が運営する夫婦別姓専用アカウントから大量のコメントが付いた。そのやりとりで、どこに分断と混乱の原因があるのかが少しわかった。 今回のやりとりを通して私が考えたことを、総論として、下記本文にまとめる。
内閣府の家族と法制度をめぐる世論調査で、夫婦別姓を選べる「選択的夫婦別姓制度」を導入してもよいと考える人の割合が過去最高の42・5%だった。導入する必要はない、と答えた人は過去最低の29・3%。ただ、政府は「国民の意見が大きく分かれている」として制度の導入に慎重な姿勢だ。 制度をめぐっては法制審議会(法相の諮問機関)が1996年に導入を答申したが、法改正のめどはたっていない。調査は全国の18歳以上から無作為抽出した5千人を対象に面接で実施した。回収率は59%。 調査結果によると、質問は三択で、制度を導入してもよいと答えた人は過去最高の42・5%。前回2012年の35・5%から7ポイント増えた。これまでの最高は01年の42・1%。導入の必要はないと答えた人は29・3%で前回の36・4%を7・1ポイント下回った。「夫婦は同姓を名乗るべきだが結婚前の姓を通称として使用できるよう法改正してもよい」
結婚して妻の名字になったIT企業の社長が、夫婦別姓を認めない民法の規定は憲法に違反し、仕事の上でも不利益を被っているとして、国に賠償を求める訴えを起こすことになりました。 ソフトウェア開発会社サイボウズを経営する青野慶久社長(46)は、別姓を認めない規定によって不利益を被っているとして、来月、国に賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こします。 訴えによりますと、青野社長は、結婚して妻の名字になったあとも、対外的に知られている旧姓の「青野」を通称として使っていますが、自社の株式の名義は、戸籍名になっているため、投資家に誤解されることがあるとしています。 外国人と結婚する日本人は別々の名字にできますが、日本人どうしの結婚では、別姓が認められていないため、青野社長は法の下の平等などを定めた憲法に違反すると主張しています。 夫婦別姓をめぐっては、おととし、最高裁判所が「夫婦が同じ名字にする制度は社
ソフトウエア会社サイボウズ社長の青野慶久さんが、訴訟の準備をしている。結婚の際、妻の姓に変更したことで経済的な不利益を被った。「同姓にしたい人は同姓に、別姓にしたい人は別姓に。当たり前の希望がかなう社会にしたい」と語る。 選択的夫婦別姓については、2015年に最高裁判所で「夫婦同姓は合憲」とする判決が出ている。理由として、夫婦同姓が「我が国の社会に定着した制度」であること、「夫婦がいずれの氏を称するかは、夫婦となろうとする者の間の協議による自由な選択に委ねられている」ことなどが挙げられている。 ただ「今回は勝てそうな気がします」と担当弁護士の作花知志氏は言う。これまでとは異なる法律上のロジックに気づいたことが理由だ。2人にインタビューした。 これまで夫婦別姓制度がないため、経済的にも損失を被ってきたというサイボウズの青野慶久社長(右)。作花知志弁護士とタッグを組んで、社会変革に取り組む。
選択的夫婦別姓の実現に向けた訴訟表明から、数多くの賛同や協力の言葉をいただきました。誠にありがとうございます。 しかし、当然ながら賛同者全員が全く同じ考えというわけではありません。ここで、それぞれがバラバラな主張をしてしまうと、せっかく耳を傾けてくださった方々が混乱し、前進し始めた世論形成の流れが止まってしまうリスクがあります。 そこで、今回は、私たちが訴訟によって実現したいことについてご説明し、内容へのご理解とご支援をお願いしたいと考えています。 その内容について、以下に記します。 今回の訴訟のコンセプト結婚しても本名(戸籍名)を変えたくない人は、変えずに使い続けられる。かつ、社会が負担する変更コストを最小限に抑える。 ゴール戸籍法に、「婚姻により氏を変えた者は,戸籍法上の届出により,戸籍法上の氏を継続して用いることができる。」の条文を追加する。 詳細日本には、民法と戸籍法があります。ざ
基本的に夫婦の苗字について一緒にするか別々にするかはどちらでもいいとは思うんだけど。 モヤッとするというかイラっとするのは「別姓の方が進んでいて、良い考え方」という論調。 そのうちに「別姓でなければならない」となるんじゃないかという危惧。 リベラル的(左派とはもう言わないんだな、)考え方のイライラする点は、「私たちの方が絶対正しい」 という思考回路なんだな。 リベラルは1歩調整すると3歩進んでくるやつらなので、そこんところがいやだ。 追記:匿名だからしょうがないけど、なんでコメで高圧的にバカにしてくるのか不思議? あとたった6行の戯言からすごく妄想を膨らませるかたがいて、人間の想像力とはすごいなと思った次第。 本題、事実婚じゃだめなの? 自分は結婚>離婚(名字で揉めたわけではない人生いろいろ)>事実婚(子供はいない) 結婚も事実婚もそんなにかわりはない。(税金の控除がうけられないかな。でも
先日、選択的夫婦別姓を実現するために訴訟を起こすことを決めました。その内容は、今回担当していただきます作花弁護士のブログを参照いただければ幸いです。(追記:私のこちらのエントリーにもまとめました。) ちなみに作花弁護士は、2年前に再婚禁止期間で違憲判決を勝ち取り、民法改正につなげた敏腕弁護士です。(参考記事:「再婚禁止期間」は憲法違反 最高裁大法廷) 今回、私たちが訴訟することが毎日新聞のニュースになり、ヤフージャパンのトップページで取り上げられたり、検索ランキングで瞬間的に1位になったり、はてなブックマークが800以上もついたり、大きな反響がありました。 はてブのコメントを見てもわかるように、選択的夫婦別姓に賛成・応援する方が多数派のようです。しかし、一部からは懸念や反論をいただいていますので、さらに議論を進めます。 ただし、2つの原則を前提とします。それは、 1. 一人ひとりのニーズを
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