第36回 二輪産業を締め上げた私達の「新しいもの嫌い」 おりもとみまな 著『ばくおん!!』(秋田書店) トネ・コーケン 著『スーパーカブ』(角川書店) 一つ質問、1980年に643万4524、2017年に64万6983――これが何か分かるだろうか。 答えは国内の二輪車生産台数である(日本自動車工業会調べ)。今や日本国内におけるバイク産業は最盛期の1/10になってしまっているのである。壊滅と言わねばならないほどの惨状だ。 その背後には若者がバイクに乗らなくなったという事情がある。車検がないため維持費が安く入門用に購入されることが多い排気量126cc以上、250cc以下のエンジンを搭載した軽二輪車の生産台数は、1980年に66万831台だったものが、2017年には7万8993台にまで落ち込んでいる。 バイクが売れていた1970年代から80年代にかけて、『750ライダー』(石井いさみ)、『ふたり