数週間前は欧州の人間でさえ、ウクライナの出来事にあまり関心を払っていなかった。今では全世界が見つめている。というのは、ロシアによるウクライナ侵攻は一般に、米国主導の世界秩序に対する直接的な挑戦と見なされているからだ。 もしロシアのウラジーミル・プーチン大統領が何の代償も払わずに済めば、中国やイランなどの国の政府は、米国に挑むリスクが低くなっていると判断するかもしれない。 ワシントンのバラク・オバマ米大統領の政敵は、大統領はシリアでの武力行使を巡って怯み、イラン、中国との交渉で弱さを見せたと主張する。2008年の大統領選挙でオバマ氏に負けたジョン・マケイン上院議員は、ウクライナ危機は「無気力な外交政策がもたらした究極の結果であり、もう誰も米国の強さを信じなくなった」と述べている。 だが、「弱いオバマ」という物語は大事な点を見落としている。これは、ソ連という頑なな敵との世界的な戦いにおいて歴代