中国・北京で開催中の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)では、数多くのお膳立てされた記者会見が開かれる。検閲済みの質問からインターネットへの投稿制限まで、中国共産党はさまざまな手法で報道を規制しようとしているが、こうした状況にあっても手に負えなくなるケースもある。 今回の全人代でも記者会見のひとつを見れば、記者たちがあらかじめ政府関係者の精査を通った質問をさせられている可能性が高いことがわかるだろう。例えば王毅外相への記者会見でも、シリアや北朝鮮、貿易戦争の可能性、南シナ海の領有権といった問題について聞きたくない記者を探すのは難しくない。