福岡市のJR博多駅前で発生した大規模な陥没事故について、近畿大理工学部の米田昌弘教授(土木工学)は「(延伸工事で)地下水が含まれている層を誤って壊してしまい、一気に水が流れ出た可能性がある」と推測する。地下の工事では、わずかな出水にも細心の注意を払うことが常識で、「こうした事故はたまに起きるが、ここまでの規模は珍しい」と話す。 関西大社会安全学部の小山倫史(ともふみ)准教授(地盤災害論)は「老朽化した水道管から水が漏れるなどして周辺の土砂が流出し、陥没現場の近くに以前から空洞が存在していた可能性がある」とみる。地表のアスファルトにへこみが現れるなどしなければ、空洞に気づかないことも珍しくないといい、「工事により、道路と空洞が保っていた絶妙なバランスが崩れた恐れがある」と指摘する。 米田教授も、今回の事故現場の断面に下水管とみられる数本のパイプが折れていたことに注目。「(漏水により)周辺