結婚後に職場で旧姓使用が認められず人格権を侵害されたとして、私立の中高一貫校「日本大学第三中学・高校」(東京都町田市)の30代の女性教諭が、同校を運営する学校法人「日本大学第三学園」に旧姓の使用と約120万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、東京地裁であった。小野瀬厚裁判長は「職場で戸籍上の氏名の使用を求めることには合理性、必要性がある」として、教諭の請求を棄却した。 判決によると、教諭は2003年から同校に勤務。13年7月に結婚し、改姓した。学校側に旧姓の使用を認めるよう申し出たが、「教職員として行動する際には戸籍名を使用すること」とされ、認められなかった。現在は時間割表や保護者への通知などには戸籍名を使用しているが、教室内では旧姓を名乗り、多くの生徒からも旧姓で呼ばれているという。 判決はまず、旧姓について「結婚前に築いた信用や評価の基礎となる」と述べ、旧姓の使用は法律上保護される