1998年7月、夏祭りで提供されたカレーライスに毒物が混入され、4人が死亡した「和歌山カレー事件」。容疑者として逮捕された林眞須美は無罪を訴えるも、2009年に死刑が確定した。だが、この事件の鑑定結果には不正も指摘されており、「冤罪ではないか」との声も少なくない。当時、映像編集者としてこの事件に携わった宮村浩高氏の悔恨の手記。 【関連書籍】2021年8月に発売された『鑑定不正――カレーヒ素事件』(河合潤・日本評論社)。分析化学の第一人者がカレーヒ素事件の鑑定不正を解明した驚愕の1冊 連日、テレビで流された“悪女”のイメージ1998年7月25日。和歌山県和歌山市園部地区で行われた夏祭りで、提供されたカレーライスを食べた67人が次々と倒れ、うち4人が死亡するという事件が発生しました。 当初私たちは、単なる食中毒として報道していました。しかし、死者が出てくるなどしていく中で、「これは単なる食中毒