【サンパウロ=住井亨介】南米ブラジルで28日、現職テメル氏の任期満了に伴う大統領選の決選投票が実施され、即日開票の結果、ポピュリスト(大衆迎合)的な姿勢と過激な発言で「ブラジルのトランプ」と呼ばれる右派のジャイル・ボルソナロ下院議員(63)が、左派のフェルナンド・アダジ元サンパウロ市長(55)を破り、初当選した。「ブラジル最優先」を掲げて既成政治への不満を取り込んだ。市場開放や財政再建に期待が高まる一方、強権的な政治姿勢に懸念が出ている。任期は来年1月1日から4年。 中国、ロシアなどと構成する新興5カ国(BRICS)の一角にポピュリストとされる指導者が誕生することになり、これまでブラジルが重視してきた多国間関係に影響が出そうだ。 ボルソナロ氏は「われわれの目的はみなさんと同じだ。ブラジルを繁栄させ、自由な国にすることだ。ブラジルを縛っている縄を解こう。ブラジルの繁栄のため種をまこう」と勝利