【ステージⅣがん治療を断るとどうなる】(13) この正月は、まさに嚥下(えんげ)障害との激闘の期間だった。左頚部の腫れで飲み物が取れなくなってしまった。気管に入り、猛烈にむせる。食べ物を取れなくなり、従って栄養を全く取れなくなったのだ。 体重は1日1キロずつ減少する。体力温存のため、ジムも当分休むことにした。それでも体力はあり、暮れの27日には打ち合わせや挨拶に回った。しかし、家族そろっての大晦日の年越し酒や元日のおとそは、なめるだけで終わってしまった。 脱水状態は進む。さすがに限界かな、と元日に地元の民間病院の救急外来で500㏄の点滴を打ってもらった。翌日と翌々日は1000㏄。年明け4日からは、昨年がんの宣告を受けた地元の大学病院で点滴を続けたのだが、ここでまさに“バトル”が始まる。 「あなたは一切の治療を受けないと言ったでしょ。治療をする時期はもう過ぎた」 手遅れだと担当医師は言い、点