『週刊新潮』 2012年12月20日号 日本ルネッサンス 第539回 民主党政治の3年余を問う12月16日の衆議院選挙を目前にして、福島は依然として苦しんでいる。3・11から1年と9ヵ月、福島第一原発(F1)の立地する双葉町、隣の浪江町と富岡町はいずれもまだ大部分が警戒区域であり、一時帰宅は可能だが、誰も住んでいない。大熊町は10日に警戒区域が解除されたが、中心部は依然として立入禁止である。 12月8日、上の4町に加えて楢葉町、広野町、川内村、葛尾村の8町村の議会議長会に招かれ、福島再生について率直な意見交換をしてきた。郡山市の福島県農業総合センターの会場には各自治体の議会の長、多くの議員に一般の人々も集った。 出席者の中には川内村の遠藤雄幸村長もいた。一部に放射線量の高い居住制限区域があるが、同村は全体的に放射線量が低く、今年3月末に村役場の職員60人全員が村に戻り、4月1日から役場はフ