——富永さんは、2022年1月に妊娠・出産を“秘匿していたこと”をご自身で公表されています。振り返ってみて、改めて当時の思いをお聞きしてもいいですか? 富永:いま思うと「小さいことで悩んでいたな」と思うんですが、それはやっぱり“いま思うと”です。出産することで、職場ではいわゆるマミートラック※に乗せられて、夜間に仕事を入れられないとか、レギュラー番組に出られなくなるとか、過度に配慮されそうなことが心配でした。 私自身が変わるわけではないのに、母という“レッテル”によって、扱われ方や見られ方が強制的に変わってしまう。大学での仕事も、番組の出演や連載の執筆も、仕事は依頼してくれる周りの環境があってこそなのに、それがごそっとなくなってしまう可能性だってある。記事や番組を見てくれる人も、離れてしまうかもしれない。そういう変化に大きな恐怖心がありました。 それと、これは「自分は学者に向いてないな」と
![「若い頃が最強」は幻想。社会学者 富永京子さんに学ぶ「社会の気長さ」 - MIMOSA MAGAZINE(ミモザマガジン)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/68eb953dce19c6117fb6cdc3e9e4ab4629f06673/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fd1uzk9o9cg136f.cloudfront.net%2Ff%2F16783656%2Frc%2F2024%2F02%2F22%2F3c65d9ca4eca113b11b5778768d3b10e68117602_xlarge.jpg)