令和2年9月の「岸和田だんじり祭」。運営団体が曳行自粛を決め、紙屋町ではだんじりを小屋の隣に置いたまま鳴り物を鳴らした=大阪府岸和田市(鳥越瑞絵撮影) 大阪府岸和田市の「岸和田だんじり祭」について、運営団体がだんじりの曳(ひ)き回しを2年ぶりに復活させようと準備している。昨年は新型コロナウイルスの影響で75年ぶりに自粛したが、今年は18、19日に実施する方針だ。ただ一部のだんじりが参加自粛を決めるなど、地域には不安の声も強い。伝統継承と感染防止の間で、難しいかじ取りが迫られている。 「これはイベントではなく神事。2年連続の自粛はありえない」。だんじりを曳き回す「曳行(えいこう)」復活への思いを、運営団体の幹部はこう語気を強めて話す。 祭りは江戸時代から約300年続き、だんじりが街角を豪快に回る「やりまわし」が名物。市中心部の22町のだんじりが参加し、各町の代表で作る運営団体が自主運営してき