国家公務員の中途退職や志望者の減少が深刻化している霞が関。 このままでは政策立案能力の低下を招き、国家の屋台骨が揺らぐ可能性すらある。 「これ以上若手を辞めさせるわけにはいかない」 霞が関の未来への希望を託されたのは、人事行政を担う若手8人組だった。 (山田宏茂) 倒れる同僚 明日はわが身 「政権が変わるたびに“なんちゃら室”が内閣官房にできて人が割かれる」 「仕事は常に自転車操業。新しい政策を立案する力が残っていない」 霞が関にある人事院の一室。部屋に集った若手官僚8人の本音が熱を帯びて飛び交う。 議論していたのは「未来の公務を考える若手チーム」。 去年9月、国家公務員の中途退職や志望者の減少に危機感を抱いた人事院の川本裕子総裁と、公務員制度を担当する当時の河野太郎大臣が、内閣人事局と人事院の若手職員に自由に改革案をつくってもらおうと設置した。 国家公務員の働き方をめぐって、国が人事制度