てんかん発作とはなにか? 脳には百億本以上の神経細胞が存在し、それぞれが神経線維という無数の枝をだし、シナプスという接合部でたえず他の細胞から情報をうけとり、逆に、情報を提供しています(図1)。この情報交換は電気信号によっておこなわれます。このため、コンピューター同様、脳にはつねに微弱な電流が制御された状態で流れています。 しかし、どんなものでも不調をきたすことがあります。脳内の電流もさまざまな原因で乱れます。秩序が崩壊し、神経細胞がいっせいに興奮、異常電流が脳全体あるいは脳の一部で洪水のようにほとばしり流れ始めるのです。あまり適切なたとえではありませんが、電気器具がショートした状態を思い浮かべていただければいいかもしれません。この異常な電流を異常放電、あるいは、てんかん性発射とよんでいます。 てんかん発作というのは、この異常放電、てんかん性発射によってもたらされる症状のことをいいます。