▼太宰治 太宰治は昭和初期のカリスマ作家で、「斜陽」、「人間失格」など、数々の名作を残しましたが、39歳の若さで、愛人と共に玉川に入水して亡くなりました。死後50年以上経った現在も、根強い人気があり、日々、多くの人が彼の墓を訪れています。 ガイドも国語の授業で、彼の作品である「走れメロス」があったのを覚えています。授業中は、ぐっすりねむりこけてしまう出来の悪い生徒でしたが、太宰治の年譜で、薬物中毒、自殺とあるのが、子供心に「???」と強い印象でした。 彼のトラブルに満ちた私生活は、破滅型作家の典型ですが、精神医学的には(今となっては、診断はできませんが)、境界性人格障害が疑われます。 ▼境界性人格障害とは 境界性人格障害の境界とは、神経症と統合失調症の境界という意味で、統合失調症というほどの症状でもなく、かといって、神経症ともいえない状態を指します。感情面の極端な不安定さが特徴で、人間関係