今年度の最低賃金(時給)の改定額が17日、全都道府県でまとめられ、平均で25円(3%)引き上げられることになった。 賃上げに伴い、非正規労働者の待遇改善が進む一方、地域間の格差が広がり、中小企業からは悲鳴が上がっている。 徳島市の駐車場で早朝、約30人の派遣労働者らが4台のバスに次々と乗り込んだ。約40分かけて向かう先は、大鳴門橋(1629メートル)を渡った兵庫県・淡路島の機械部品工場だ。 徳島県の現行の最低賃金は全国で3番目に低い716円なのに対し、兵庫県は819円。時給で100~200円、月給では2万~3万円ほどの差が出る。 契約社員の男性(34)は「橋を渡っただけで給料が増えるなら、少し遠くても通う価値はある」と笑顔を見せる。徳島市の派遣会社も「人手不足に悩む淡路島の企業と、より良い条件を求める徳島の労働者をマッチングさせることは、双方にメリットがある」と話す。
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