「ツアーでもらったものを全部出そうと思います!」とライブ序盤に原田郁子が告げれば、終盤には「ベスト・オブ・ベストのライブにします!」とミト。その言葉通り、初っ端から感動と熱狂が押し寄せた今夜のアクトは、バンドにとって大きな意味を持つメモリアルな内容となった。クラムボンの両国国技館公演。2枚のベスト・アルバムをリリースした春、蔵や小学校の旧校舎など全国各地の「ナイスな会場」を巡る「ドコガイイデスカツアー」を展開した夏・秋、と2011年を精力的に駆け抜けてきた彼らは、その勢いのままにバンド初のアリーナワンマンを、ここ両国国技館で見事に完遂してみせたのである。 「上半身『白』を中心にしたコーディネイト」というドレスコードが設けられた本公演。最寄りのJR両国駅に降り立つと、早速白尽くめの人々がホームに溢れ返っている。さらに場内へ足を踏み入れると、中央の土俵ステージをぐるりと取り囲んで白一色の客席が