■近代化・情報化・グローバル化 ――鈴木さんは非常に幅広い分野の研究をされており、取組まれている研究の全体像は簡単にはやや捉え難いところがありますね。鈴木さんの研究テーマについて全体的に俯瞰すると、どのように言うことができますか 私の研究には三つの柱があります。 一つ目が「近代化」という柱です。近代化とは社会を動かす原理が近代的なものになるということですが、近代化というと、日本では明治維新によっていきなり近代になったという「点」のようなイメージを持たれがちです。一方で、英語で近代化を指すmodernizationという言葉には「現代化」という訳し方もあり、過去から脈々と続いてきた「線」的な流れのことを指します。 この近代化という概念は、現代の日本社会の分析において有効な道具である上に、西洋由来の概念であることから、西洋と日本社会の関係について考える上でも極めて重要です。私は、この近代化