大幸薬品の製品(左)とキョクトウの製品 大幸薬品(大阪府吹田市)の「セイロガン糖衣(とうい)A」と外観がよく似た薬を売るのは違法だとして、同社が製薬会社キョクトウ(富山市)に製造販売の差し止めを求めた訴訟の判決が20日、大阪地裁であった。山田陽三裁判長は「キョクトウの製品の箱にはラッパのマークがない」などとして請求を棄却した。大幸薬品は即日控訴した。 問題とされたのは、キョクトウが2009年2月から販売を始めた「正露丸糖衣キョクトウ」。だいだい色の包装箱に「正露丸」「糖衣」「S」などと記されている。大幸薬品の製品も箱は同じ色で、「セイロガン」「糖衣」「A」などと印刷されている。 判決は「正露丸」の名称は、1950年代から胃腸薬として一般的に使われていたと指摘。さらに大幸薬品の製品には「ラッパのマーク」があるとして、キョクトウ製品が類似しているとは言えないと判断した。