ドラフトがプロ野球を“負け組”にする理由 カテゴリ: 野球批評 ●則本のプロ入りは偶然だった 則本昂大はプロに来るはずの投手でなかった――。 新人ながら15勝を挙げ、楽天のパ・リーグ制覇に貢献した彼の実力が、プロ入り相当だったことは間違いない。則本は三重中京大(東海地区大学野球連盟)という無名校の出身だが、実力は在学中から折り紙つきだった。昨年6月には大学選手権へ出場し、1回戦の大阪体育大戦で20三振(延長10回)を奪う快投を見せている。松葉貴大(現オリックス)と投げ合った末に敗れはしたのだが、評価を大きく上げる内容だった。 問題は、則本が大会前に社会人野球の名門・日本生命からに内定を得ていたことだ。彼のプロ入りは、ドラフト直前に辛うじて会社側と折り合った末の綱渡りだった。冒頭で“来るはずの投手でなかった”と書いた理由は、彼が日生の内定を辞退できた特殊事情にある。彼が在籍していた三重中京大