グローバルな伝統 靖国神社の奉納相撲で日本人力士と対戦するエジプト出身の大砂嵐(写真右) Thomas Peter-REUTERS ロシアの陸上連盟のように、世界のスポーツ界には薬物に汚染されているところが多いと言われて久しい。選手たちは常に「国家の栄誉」を背負わされているし、巨大な経済的な利益も付きまとっているから、ドーピングに走る。 こうした暗雲を吹き飛ばす快挙が日本で起きた。その舞台は日本人が「国技」と呼び、深く愛されている相撲。一時は暴行死や賭博などの不祥事に苦しんだが、今ではフェアでクリーンな競技として人気を博し、世界の注目を浴びている。その担い手たちも既に国際化して長い。 先月24日に琴奨菊が今年最初の賜杯を手にしたことで、10年ぶりに日本出身の力士が優勝となった。過去10年間に優勝の座を占めてきたのはモンゴル人とブルガリア人、そしてエストニア人。優勝こそ実現しなかったものの、