「夏の七草」をご存知だろうか。アカザ、イノコヅチ、ヒユ、スベリヒユ、シロツメグサ、ヒメジョオン、ツユクサの7種である。 セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの春の七草や、ハギ、オバナ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウの秋の七草にくらべ、夏の七草はまったく知名度がない。 それもそのはず、夏の七草は、アジア太平洋戦争末期の1945年6月、日本政府の広報誌『週報』において発表されたものだったからだ。 つまり夏の七草とは、本土決戦のための食糧だったのであり、それゆえ敗戦とともに忘れ去られてしまったのである。 日本のメディアの戦争特集は毎年、3月の東京大空襲(名古屋、大阪も)、4月の沖縄戦開始から、8月の終戦までの間がやや手薄になる。しかし、本当に身につまされる「決戦生活」は、初夏のこの時期にこそあった。 戦争末期の『週報』は、プロパガンダ誌ながら、その悲惨な
![草が食糧…? 太平洋戦争「初夏の決戦生活」は驚くほど悲惨だった(辻田 真佐憲) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/fb839c5af70aa9def682367541d931a6f8e1dd30/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fc%2F6%2F1200m%2Fimg_c645b90a656d6fdf0e98fbcc8fa8fe2a361830.jpg)