なぜ王室は世界中で愛され続けるのか?――イアン・ブルマ 米バード大学教授/ジャーナリスト(1) - 11/06/27 | 16:13 独裁的ではない立憲君主制は、その欠点を補う特長を持っているのだろうか。民主主義の時代において、出生だけが拠り所の人物に特別な敬意を払うのは理性的とはいえない。新しい皇太子妃が中産階級から選ばれたという理由だけで、われわれは英国などの君主制を今まで以上に称賛し、愛するようになるのだろうか。 君主制は国民を幼児化させる効果を持っている。分別のある大人が、王族が差し出した手に触れる特権を与えられたとき、普通では考えられないような笑みを浮かべて卑屈になる姿を何度見てきたことか。英国王室の結婚式のとき、人々は子どもが夢見るような“おとぎ話”の結婚式に心を奪われたのである。 エリザベス二世の威厳はイタリアのシルヴィオ・ベルルスコーニ首相や歌手のマドンナ、サッカー選手